「尊厳死」を選択した重病の老母と、ムショ帰り失業者である中年息子の物語。
2013年フランス映画
基調は淡々としているがエモーショナルな場面もいくつか。
しかし、こちらの心情に強く響いてくるわけではない。
個人的な眼目点はもっぱら「尊厳死」のシステム。
当時のフランスでは法的には認められておらず、スイスに自ら足を運んでの「国家承認の尊厳死という名の自殺」には大いに考えさせられた。
いったん映画から離れて、あるオカルト的考察によると自殺者の魂は成仏できずに地上を彷徨うとされているが、はたして「尊厳死自殺者の魂」はどうなるのだろうか?
もちろん現代科学ではナンセンスな話ということになるだろうが、「魂の存在と行方」という観点を深く考察する必要が今こそ必要ではなかろうか?と思わされないわけにはいかなかった。
たとえ望んだ形の死に方ではなくても、生が尽きるその時まで「覚悟を決めて」生きるべきではないかと。