Mabune

親密さのMabuneのネタバレレビュー・内容・結末

親密さ(2012年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

濱口作品の好きなところが今まで見た中で一番色濃く出ている作品だった。

劇中劇という構造上、役者が今どのレイヤーで感情が高ぶりそれが表出しているのか、見ていてわからなくなることがある。商業作品の時は演技力の高い役者達が揃っているためあまり強く感じないが、今作やハッピーアワーのような演技初心者や経験の少ない役者たちで取り組んでいる作品の時には特に強く感じてそこに言いようもない興奮を覚える。
そういう濱口作品の好きなところがぎゅっと詰まった作品。

「親密さ」というテーマに関して言えば、親密さを直接的に表現する際にはいつもなにか一枚隔たりがあるということが節々から伺えて、それが妙にリアルだなと思った。例えば関係性としての隔たり(友人の恋人とか別れた元恋人)だったり、物理的な隔たり(布団の中と外、隣り合った電車の中)だったり。隔たりもない中で膝を突き合わせては本当のことが言いにくいし、親密さを直接的に表す言動をしにくいということを見ながらしみじみ思ってしまった。

あとは最後のシーンが最高に良かったな。「親密さ」という話のラストシーンとしても最高だし、映画の表現としてもあんなに躍動感のある映像ってどうやって撮ってるんだ…?という感動。

4時間半、食い入るように見ちゃったな。
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