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親密さのmalshalのレビュー・感想・評価

親密さ(2012年製作の映画)
4.7
2人は
電車にギリギリ乗り込む
車内から
空を見上げて

兄を助けに
韓国へと
旅立った青年
かつて自分が海で
助けられた恩返しを
するように

前半のクライマックスは
あの夜明けの
長回し
2人の関係性は
2つの電車が少しの間だけ
同じ速度で
並走するよう
そっと寄り添って
いつしか

他人の本心なんて
言葉だけじゃわからない
言葉なしでは
もっとわからない
それでも
言葉を紡いでいくこと

相手を知ろうとする
上で
肝心だと
教えてくれたのは
スクリーンに
映る
彼ら
彼女らだった

2年後
思いがけず再会したときに
昔と
変わらぬまま
言葉を交わす
そして
2人には
なにも親密な過去など
なかったかのように
離れていく
彼らにとっての
ひとときの
恋愛時代は
レールのうえに
置き去りのまま
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