このレビューはネタバレを含みます
本作の元となっている、ボストンマラソン爆弾テロ事件が起こった時期を思い返せば、シリアでの内戦が激化していた頃。この事件の2年後の2015年には、パリでテロが起こるなど、イラク戦争以降の中東側の抑圧のダムが決壊してきたような印象があった。
なぜこのような事件が起こってしまったのか。ただ、この映画の主題はそこではなく、あくまでも愛がテーマ。ボストンの国民の絆はより一層強まり、テロに屈することなく勝利をした。"BOSTON STRONG"——。
彼らを華やかなヒーローに仕立て上げ、テロリストらはヴィランとして慎ましやかに去ってゆく。物語は果たしてそれで終わって良いのだろうか。鮮やかに輝く勝利の裏側には、ドス黒い煤がこびり付いているような気がしてならない
