EDDIE

パトリオット・デイのEDDIEのレビュー・感想・評価

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)
4.3
明日は我が身。何が起こるかわからない。
ボストンマラソン爆破テロの犯人逮捕までを追うシリアスなドラマ。
実際の映像とリンクさせ、犯人との銃撃戦ではドキュメンタリーチックな撮影で臨場感を演出。

被害者視点の“ボストン・ストロング”と合わせて観たい快作。

とにかく力のこもった作品です。
爆発の瞬間から一変するボストンの街並み。
実際の映像も使われながらリアルに映し出した悲惨な現場。
目を覆いたくなるような場面の連続に気が滅入るようです。

ただこれが2013年の出来事。
ボストンといえばMLBのレッドソックスが有名です。NBA好きの私からすればセルティックスもですが、やはり松坂大輔、上原浩治、田口壮など、数々の日本人のプロ野球選手が所属したレッドソックスという球団は日本人にとっても特別でしょう。
ボストンマラソンは実際にこれまで多数の日本人ランナーも優勝を飾ってきています。
あの現場に日本人がいたとておかしくないでしょう。

あまりにも驚くべき出来事でありながら、身近な出来事だと置き換えることもできます。
爆発に巻き込まれ死に直面した人もたくさんいたと思いますが、手足を失いながらも生きながらえてしまうという自分だったらどう整理をつけるだろうか…いや、整理をつけることはできないんじゃないかという辛すぎる映像が目に飛び込んできます。

テロの犯人が逮捕されるまでを描きます。
マーク・ウォールバーグ演じるトミー・サンダースは架空の警察官です。
彼の仮の視点をもとに、当時の事件を紐解いていくドキュメンタリータッチなリアルさを孕みながら、クライムサスペンスとしても上質な出来上がり具合を見せてくれています。

愛国主義的なアメリカの視点というところで、事件を起こした犯人側の心理的側面はやや無視されている感覚は受けますが、とにかく映画としての臨場感の演出が素晴らしくて個人的には文句のつけようがありません。

キャストもケビン・ベーコン、ジョン・グッドマン、J.K.シモンズら豪華俳優陣の無駄遣いといえるほどの起用っぷり。
彼らの演じたリック・デローリエFBI捜査官やエド・デイビス警視総監、ジェフ・ピュジリーズ巡査部長らは実在する人物で、ラストに本物の彼らのインタビューも差し込まれるようになっています。

犯人グループはアレックス・ウルフやメリッサ・ブノワら。

個人的にピーター・バーグ監督&マーク・ウォールバーグのWバーグコンビの作品としては一番好きです。

※2021年自宅鑑賞208本目
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