実録物としてのドキュメンタリー性と犯罪サスペンスとしてのエンタメ性の両立が素晴らしい。
まず序盤に映画に関わる主要な人物、警官、犯人、被害者、キーマン、彼らの日常をフラットに描いてて、そこから物語が進むに連れてその人物たちが事件に絡んでくる構成が見事。終盤に出てくる人たちも最初に出てくるから、段々とピースがはめられていく感覚がとても気持ち良い。
そうすることで、ある日突然起きたこと、というのが表現されているし、だからこそ、爆発するその瞬間にとてつもない緊張感が生まれる。
ハラハラドキドキの追走劇は、本当にノンフィクションなのか?と思うほど、映画的だし、かと思えばラスト「ハドソン川の奇跡」以上に差し込まれるインタビュー映像は改めて、この世界に起きたことだと確認させられる。
また「ハドソン川の奇跡」ではNY市民が描かれたように、今作ではボストン市民の団結力、街の結束力、愛、みたいなものが描かれていて、犯罪に勝つのはそういった力というメッセージがシンプルに感動した。
時々差し込まれる、ビデオカメラのショットや監視カメラの映像が、おそらく当時のものと新しく撮ったものとごっちゃになることで、生々しさを演出されていた。
このピーター・バーグ監督とマーク・ウォールバーグのもうひとつの実録物、「バーニングオーシャン」も是非観たい。