ShinMakita

パトリオット・デイのShinMakitaのレビュー・感想・評価

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)
2.9


2013年。ボストンマラソンが開催されているパトリオットデイの午後…ゴール地点で突如2つの手製爆弾が炸裂し、多数の負傷者と3人の死者を出す惨事が起こった。現場で警備に当たっていた殺人課刑事トミー・サンダースは、惨状を目の当たりにしてショックを受けながらも、現場の封鎖と負傷者搬送に当たるのだった。臨場したFBI捜査官デローリエがテロ事件と認定すると、直ちにFBIとボストン市警の合同捜査本部が設置され、監視カメラ映像の解析から爆弾犯特定作業が開始される。そして浮かび上がった「サングラス男」と「白い帽子の男」。犯人は二人組だった。
捜査本部が二人の顔写真を発表すると、ニュースをフォローしていた爆弾犯二人組は直ちにボストン脱出を試みる。彼らはタメルラン&ジョハルというイスラム原理主義の兄弟だった。身元が露見していないうちにクルマでニューヨークに移動しようとする2人。彼らは再び大規模爆破を行おうと目論んでいたのだ…




「パトリオット・デイ」。猿バーグ&ピーター・バーグによる、実録Wバーグ三部作の掉尾は、まだ記憶に新しいテロ事件の映画でした。


以下ネタバレ




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1つ残念なのは、トミー・サンダースという人物がフィクションである点。開始五分で好きになるキャラなんだけどなぁ。
しかしそれを除けば、概ね満足な出来です。




「実話」っぽいと思わせるディテールが気に入りました。冒頭、トミーが犯人に部屋のドアを蹴破る時に膝を痛めてしまうのがまずツボ。主人公が、いきなり本筋と関係なく、それもかなりダサい理由で肉体的ハンデを負うってのが斬新。ウォータータウン署管内で起こるあの戦闘シーンもリアルでしたしね。銃が弾詰まり起こしたり、勘違いで味方撃っちゃったり、フィクションのアクション映画ではレアな描写がチョイチョイ出てきます。無線周波数が違うせいで、サイレン鳴らして応援パトカーが来ちゃう描写なんて、刑事モノではまず出てこないですよ(^_^)。こういう実話っぽさのおかげで、まるで西部劇みたいなビュジリーズ巡査部長とタメルランの死闘や、マニーくんの脱出など、フィクションくさいところも説得力が出てきます。マラソンと何ら関係のないマニーくんやMIT警官ショーンくんが、後半ちゃーんと絡んでくるなど、語り口の気持ちよさも最高。そして捜査側がしっかり正しい仕事をしているというのがカッコいいんだよなぁ。


というわけで、オススメできる一本。本当にこの監督、「バトルシップ」撮ったのか⁈
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