鎌ちゃん

パトリオット・デイの鎌ちゃんのレビュー・感想・評価

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)
3.9
「アメリカのヒラ警官は意外と弱い?」

これは日本にとっても良いお手本になりえるのか?
同時に今の日本の警察力でここまでできるのかどうかという不安も抱いてしまいます。
関わった加害者、被害者、警察数名を事件発生前からザッピング的に展開し事件発生後に徐々に関わらせていく構成がいささかもどかしさもあります。しかし容疑者を絞り込むシーンのテンポの良さがそれをカバーし受け手のストレスを解消させているバランスが見事です。
銃撃戦もど派手に「何?あの老警官」と素敵な見せ場もありとエンタメ性も高いです。
また追い込んだときになかば常識化している「警官殺しには、警官による制裁=射殺」を恐れてなのかFBIが地元警察を止めたのにはニヤリとしてしまいます。
それと世論や社会情勢を危惧して弱腰なFBI特別捜査官に対し強気な地元警察でしかも上手く回るというちょっと珍しい構図も楽しめました。
マークしていたのに見過ごしたという9.11に続く失態に近い描写もありチクっとFBIを刺してますね。
観ていて気になるかもしれませんが主人公が犯人特定くらいでその後は現場には居合わせるのに思ったより活躍できません。
実在の人物ではなさそうなので何人かの警官の複合体な感じみたいです。
しかし容疑者特定までは捜査力だけど、その後は偶然に頼った通報による追い込みというのは怖い。
でもそれが捜査力の限界であり市民の協力は不可欠というのがよく理解できました。

追伸
ここ数年、実話といえばマーク・ウォールバーグと思ってしまうくらいよく活躍してます。
タフガイさより悪童感が強くたまに精神的にまいってしまう母性をくすぐるイメージですがそっちの方がリアルなアメリカ人像なんでしょうか?
鎌ちゃん

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