おそろしくはやい手刀

パトリオット・デイのおそろしくはやい手刀のレビュー・感想・評価

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)
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冒頭から登場人物達の“脚”を映したショットが続く。
このショットの連なりが最後まで大きな意味を持つ細やかな演出が良かった。
事件発生時の映像と映画のために撮影した映像を使用した編集により、まるで事件の真っ只中に放り込まれたような感覚の映像になっている。
中盤の銃撃戦のかっこ悪さが異様にリアルでかなり好みだった。
また犯人側の視点の入れ方が、さり気なく911以降のアメリカ社会における問題を提示していて、ありがちな勧善懲悪に陥らない語りがスマートだった。
憎悪に対して立ち向かおうとし続ける人々の姿を描きたかったから、警察である主人公の視点と併せて被害者達の視点が入っているのだと思う。
良い映画でした。