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パトリオット・デイのmegumiのレビュー・感想・評価

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)
4.2
衝撃的だった。
実際の映像を交えながら描かれた爆発の瞬間。視界を遮る煙、爆発音による耳鳴り、負傷し泣き叫ぶ人々、流れ出る血、ちぎれた手足…。はっきり言って残酷な映像だ。
だが、観なければならない。これは現実にあったことなのだから、観なければならない。そんな気がした。
憎しみからテロに及んだ犯人たち。しかし我々はテロから憎しみを見出してはならない。テロから愛を育てるのだ。
憎しみに勝てるのは愛しかない。愛ゆえに人は人でいられるのだ。

ひとつだけ不満を言うとすれば、もっと犯人たちの心理を描写してほしかった。なぜ彼らがこんな行いに出たのか。彼らの憎しみはどこから生まれたのか。
テロに屈しない。その心意気は大切だ。
しかし、テロを行った犯人たちを憎んではいけない。彼らのことを理解しろとは言わない。しかし我々が求めているのは世界平和のはずだ。そのためには彼らがなぜ犯行に及んだのかを調べ、二度と彼らのような人物を生み出さないようにしなくてはならない。
アメリカ人は何を求めるのか。自衛精神、それは敵の存在を示唆している。彼らは常に敵と戦うのか?彼らは誰を敵とみなしているのか?その人々は本当にアメリカ人の敵なのか?私は、自衛精神ではなく、人と理解し合う精神が必要だと感じた。
この映画は、愛の素晴らしさを教えてくれると共に、アメリカ第一主義の密かな台頭を感じさせた。
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