2018.06.17. DVDにて鑑賞
実際に起きたテロを基にした半ドキュメンタリー的映画。
被害に遭われた最後の方たちの、本当に愛によって困難を克服していく姿に心打たれました。
「憎しみは愛に勝てない、悪は愛に勝てない」と劇中で語られる。それ自体に異論は無い。このボストンでのテロリストも完全に狂信者、最悪に卑怯な悪と言えるだろう。
でもそこで考えを留めるのではなく「なぜ狂信者を生んでしまったのか」をアメリカ国民が、人類が学ばない限り、この悲劇は終わることが無いと感じる。
テロリズムという単独の事件だけを切り取って見れば、上記のような美談だけで終わらせられるのだろう。
でも現実は違う。連綿と続く歴史によって、お互いを憎悪に巻き込む戦争をアメリカという国家自身が引き起こして来た。そしてこのテロもその戦争の延長によるものだ。
ボストンで起きたことの数千、数万倍もの悲劇が他国で起きているということ、そして家族も国家も奪われ憎悪の中で子どもが育つような環境が今もこの世界のどこかにあることを忘れてはならない。そうして育った子どもたちがどうして愛などと口にできるだろうか?
その事実を自覚し、自らが進んで暴力を手放さない限り「テロに屈しない」などという言葉は空虚なままだ…
その言葉自体が憎しみを孕んでいることに気づかない限り…
…あ、意識が遠くに行ってしまいましたが、映画自体は良くできていると思いました!マーク・ウォールバーグはトランスフォーマーみたいなクソ映画に出ずにこういう役の方が良いと思う。