イチロヲ

大怪獣バランのイチロヲのレビュー・感想・評価

大怪獣バラン(1958年製作の映画)
3.5
東北山間部の土着神バラダギが復活したことを受けて、自衛隊が追撃作戦を決行する。アメリカの放送局の依頼により、当初テレビドラマとして製作された、東宝特撮映画。

民俗学と掛け合わているドラマ展開にワクワクさせられるし、怪獣と自衛隊の真っ向勝負をストレートに描いているところにも清々しさが感じられる。自衛隊の声出し確認がいちいちカッコよく、兵器のミニチュア造形に感嘆の声が出そうになる。

本作の怪獣バランは、ムササビ怪獣という設定であり、巨体を滑空させて飛んで行くことが可能。一見では笑ってしまうけれど、そのインパクトは強烈なものがあり、「これが東京まで飛んできたら恐ろしいなぁ」と思わせられる。

だがしかし、バランは頭のほうが弱いらしく、滑空ポイントを無視して海路でバシャバシャと移動を開始。「海上自衛隊の見せ場を作らなければならない」という、大人の事情が見え隠れする。あと、バラン自身には悪気がないので、とにかく居たたまれなくなる。
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