ひろ

ハンナ・アーレントのひろのレビュー・感想・評価

ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)
3.8
ハンナ・アーレントについては、アイヒマン裁判を傍聴し「悪の凡庸さ」という言葉を世に放った事しか知らなかったので、最初、映画中の背景や人間関係が掴めず戸惑った。でも途中から気にならなくなった。

ハンナ・アーレントの、立場や感情に流されず、目の前の人物の本質を見抜こうとする徹底した哲学者の目、信念に感服する。同胞からこんなに攻撃されていたなんて知らなかった。それでも記事を撤回しなかった彼女の信念が強くて美しい。「悪の凡庸さ」…まさにまさに。記録映像のアイヒマンにはゾッとした。

こうやって闘って、その言葉を後世に残してくれたからこそ、今の世の「凡庸な人の悪」に私達も気付くことができる。

あとはハンナが女性だから余計に攻撃されたということもあるのかな。
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