ハンナ・アーレントの作品情報・感想・評価・動画配信

「ハンナ・アーレント」に投稿された感想・評価

ても難しい映画。いろいろな人のコメントを読み、理解が深まった。哲学はよく分からないのですが自分の意見のため友達やまわりの人から嫌われてしまう。それでも、自分の意見をきちんというのが凄い、と思いました。鑑賞日:2015.02月12日

ナチス政権による迫害を逃れて亡命したユダヤ人の女性哲学者ハンナ・アーレントを描く。

ホロコーストを生き延びたユダヤ人哲学者ハンナ・アーレント。1960年代初頭、彼女は何百万人ものユダヤ人の収容所移送を指揮したナチスの重要戦犯アドルフ・アイヒマンの裁判に立ち会い、その傍聴記を発表する。しかしアイヒマンを、思考することを放棄して命令に従っただけの凡庸な小役人と評し…。

孤高の戦い。
Mugi

Mugiの感想・評価

4.5
思考を辞めた人間は、気づかないうちに悪に加担しているかもしれない。
ナチス時代のホロコーストを進めたアイヒマンは、残虐な人間かと思いきや官僚社会の役人で極めて平凡な人間だった。むしろ役人としては優秀。
そんな彼は言う。自分は法律と命令に従っただけだと。当時、上に逆らうことなど不可能だっただろうと。
現代にも通じる部分があるのではないか。いじめの構造やマイノリティへの差別の構造。まさにこの平凡な人々、言われたことにちゃんと従う、強烈な思想を抱かずマジョリティに属している人が多いからこそ、起こるのだ。

最後の講義は圧巻。
理解を深めることと、支持することは、違う。
事実は、事実。
そこに感情を持ち込まず、どれだけ客観的に冷静に論を講じれるか。
出来る人は少ないかもしれないけど、このインターネット社会、情報が溢れた今、本当に必要なことだと思う。
猫炒飯

猫炒飯の感想・評価

3.9
勉強不足の人間の戯言です。

アドルフ・アイヒマンの蛮行後の責任感のない、あくまで事務遂行をしたまでだと言わんばかりの姿勢は単なる思考停止の結果であると捉えることもできる。

たが、個人的にはマックス・ヴェーバーが喝破した官僚制のもたらす弊害をそのまんま絵に描いたような事例でもあると考えている。

決してアイヒマンが思考できないアホなのではない。彼は官僚としてはむしろ優秀な部類なのではないかと思う。

官僚制自体が人間らしく思考することを放棄させるような性質を帯びている。なぜなら、権威に服従する姿勢が当たり前として組織に浸透しているが故に円滑に運営されるシステムこそが官僚制だからである。上の言うことに半ば無思考に「ハイ!」と言えることが求められるのであろう。ヴェーバーは近代的官僚制を、中立的に適用される規則や明確化された職務権限、さらに階層性の組織構造という形式合理性の概念によって特徴づける。部下の立場から、自らよりも広範な職務権限を持つ上位階層の人々の意向に異を唱え、捻じ曲げるのは極めて困難である。何を言っても無力だと言うアイヒマンの意見は、同じく平凡である自分には分かるところもある。当時ユダヤ人の救済行為は処罰されることもあったため、下手したら家族もろとも殺されかねない。だから、敢えて思考停止を選ぶ、いや選ばざるを得ないということもあるのかもしれない。

当然、だからといってアイヒマンの為したことは許されるべきことではあり得ない。絞首刑に処されるのも仕方なし。

ただ、上述のこともあり、もしもアイヒマンの立ち場に置かれたなら、誰もが同じような結末を迎えていた恐れすらある。アイヒマンはシステムに流されてしまった平凡な一人なのである。そのため、「悪の凡庸さ」というハンナ・アーレントの指摘は流石に鋭い。

官僚制に問題点はあるにせよ、それ無くしては近代の複雑なシステムは営めない。官僚制は監視機構を入れ込んだり拮抗勢力を設けるなど工夫をしながら運用しなければ腐敗あるのみなのだと改めて考えた。

おそらく、ハンナ・アーレントの指摘する全体主義は、一般的な全体主義の定義とはまた別の、官僚制を含むより大きなシステムを指しているのであろう。彼女は、その大きなシステムの中で、アイヒマンもがんじがらめになったと見ていたのだと推察する。アイヒマンのみならず、一部のユダヤ人もユダヤ人虐殺に加担せざるを得ないほど、この全体主義の力は強かったのであろう。ユダヤ人のユダヤ人虐殺への加担を指摘したハンナ・アーレントは、厳しい非難を浴びることになった。

自分は、これ機にようやく『全体主義の起源』を読み始めた。

本作では、システムの歯車として身を委ねるのではなく、絶えず思考する大切さを説いている。とは言え、思考の末に権威に対して異を唱えたり、独自の見解を提唱したりするのも一筋縄ではいかない。ハンナ・アーレントも非難轟々の嵐に晒されたように、荒波をくぐらなければならない可能性は高く、相応の覚悟が必要になるのだろう。彼女が批判にもめげずに哲学することを貫いた姿勢はさすが哲学者、カッコいいと感じた。この姿勢は見習いたい。が、凡庸な自分には極めて難しいのだ。。
risaaan

risaaanの感想・評価

3.2
✍️過去見た映画記録
ちょうど大学で哲学勉強してた時期に見たのと、ホロコーストでもなかなかスポットライトの当たらない切り口で、なかなか面白かった記憶
yad

yadの感想・評価

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知識がなさすぎて、何が正しそうか(正解はないとして、自分の意思としてどう感じるか)がわからないので勉強が必要…

思考をやめないこと。
ゆ

ゆの感想・評価

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哲学や考え方を学ぶのはすごくおもしろそう!

ハンナの記事にあんなに抗議してくる人たちを見てTwitterやヤフコメなどのネトウヨと重なった
分断の思考(日本人と外国人とか、ユダヤ人とナチとか)が差別や誹謗中傷を生むけど、ハンナのように理解しようと試みることが大事だと思う!

会社にも、本質的な目的を何も考えずに言われたタスクだけこなす人がいる
自民党が勝ち続けて国葬を止められない日本国民にも感じる
常に思考し続けるのは大変だけど、人間だから考え続けていきたい!
kisaragi

kisaragiの感想・評価

4.0
“悪の凡庸さ”
考えるのをやめたら、人間じゃなくなる。
確かにそうかもしれない。
今まで気づかなかったことに気づかせてくれた映画。流されず考えること。胸に刻んで生きていこうと思った。
ういん

ういんの感想・評価

3.8
強い女性の象徴として扱われる煙草が印象的だった。
本作を観た人は恐らく社会や歴史を学ぶなかで彼女の名に出会っていると思われるので、他の映画と違う切り口で評価していて面白い。
明石

明石の感想・評価

4.3
ホロコーストを進めたナチの責任者としてイスラエルに裁かれたアイヒマンを、思考不能な凡人と一刀両断し「悪の凡庸さ」を解明したハンナ・アーレントの伝記映画。予想以上に引き込まれる2時間でした。歴史的事件を忠実に映像化した作品なので、面白い面白くない以前に見るべき価値のある映画、、なのにこんなに面白いとは。ハンナ・アーレントの著書『イスラエルのアイヒマン』もこのあと読んでみようと思う。
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