菩薩

赫い髪の女の菩薩のレビュー・感想・評価

赫い髪の女(1979年製作の映画)
4.2
何一つ美しくなんて無い光景の筈なのに、どうしてだか猛烈に美しいものに思える。それが自分の憧れの投影であるからと言ってしまえばそれまでだが、所詮男女の行き着く究極だからと言う事かも知れないし。狭っ苦しい部屋、どぎつい赤、むせ返りそうな香り、突き出た棒と収まりの悪い穴とが互いに貪り喰う悍ましさすら感じる様。突拍子の無さだったり、ぶっ飛んだ展開だったり、そんな物に関してなら他の作品にだいぶ分があるが、性と欲の王道をただひたすらぶっちぎる問答無用の力強さならこれなのでは。中上健次の色はやはり赤。
菩薩

菩薩