コキジ

リダクテッド 真実の価値のコキジのレビュー・感想・評価

リダクテッド 真実の価値(2007年製作の映画)
3.5
2006年。戦争は終結した筈のイラクに駐留を続ける米軍。

検問所:サマラ。
彼らは自爆テロの格好の標的。その為、極度の緊張を強いられる。
「停まれ」、「STOP」、あらゆる言語で書かれた検問所の文字、
しかしイラク人の識字率は約50%・・・。
停まらずに突破しようとする車に慌てふためき、銃撃された車には民間人の妊婦とその兄。
「産気づいた妹を急いで病院に・・・」
検問所で射殺された2,000人のうち、民間人でない敵はたったの60人。

瓦礫に埋まった道路。
その路肩爆弾で吹き飛ぶ曹長。

苛立ち、焦り、不満。「フセインから解放してやってこの仕打ちか!」
そこにはもう大国アメリカの「大義」など微塵もない。

検問所をいつも通る少女の家に「遠足」に行く兵士数名。
15歳(実際の事件では14歳!14歳ですよ!)の少女をレイプし、一家惨殺。

この事件の報復として拉致され首を切られ、動画投稿サイトにその動画を流される米兵。

ホームビデオ、イラクのテレビ報道、監視カメラ、動画投稿サイト、ビデオチャット、尋問記録ビデオ。
ブライアン・デ・パルマはこれらの断片を組み合わせる事で、
「客観的視点」を主張したかったのではないでしょうか?


映画の最後に「実際に殺害された民間人」として、惨たらしい”本物の”写真が何枚も映ります。
BGMもテロップも、何もなく。寒気がしました。
コキジ

コキジ