みつん

昼顔のみつんのレビュー・感想・評価

昼顔(1967年製作の映画)
3.8
さて、このドヌーヴが演じるセブリーヌは、
ハンサムな若い医師の妻。
幼少期に中年男性に悪戯されたトラウマから
セックスに対しての不安感を隠しきれない。

妻を愛する夫は、彼の気持ちを尊重しているが、
実は、セブリーヌ自身、夜ごと見る
夢の中で、夫や他の男たちから
サディスティックに責められている。

彼女は自身の性的な感情を
再認識するかのように、人から聞いた
売春宿に行き「昼顔」という名前をもらう。

この原題となっている"BELL DE JOUR"というのは
直訳すると「真昼の美女」。
先日の邦題の話ではないけれど、ここで「昼顔」と
付けた配給会社のセンスはなかなか良かったと思う。

映画は、彼女がその売春先で出会う男たちと
夫、そして夫の友人を交えて
大変な方向へとドラマは流れていく。

途中、ドラマに挟まれる
彼女の夢や想像、そして現実の交差
という見せかたが、とってもうまく、
映画が終わっても、
キツネにつままれたような
不可思議な気持ちとなる。

この監督、ルイス・ブニュエルは
僕が好きな映画監督のベスト5に入る人。

「皆殺しの天使」や「欲望のあいまいな対象」
同じドヌーヴ主演の「哀しみのトリスターナ」とか
すべてが「昼顔」同様、ヘンテコ。
でも物凄いインパクトで
魅力的な作品群を作っていて、
そんなモノが好きな人には是非ともお勧めする。
みつん

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