デヒ

ゲームの規則のデヒのレビュー・感想・評価

ゲームの規則(1939年製作の映画)
4.3
映画の中の人物は、まるで自由に行動しているように見える。 パーティーを開いて人々を招待したり、妻がいるにもかかわらず新しい恋人を作る。しかし、この複雑に見える関係の中でも、厳格な規則が存在する。それは「階級」である。 彼らは自由の中でも自分の階級の中の品位と階級間の差などの規則を守る。 例えば、クリスティーンの夫のロベールは、自分の品位が本当に重要な人であり、皆に親切にしてくれるのだが、使用人が銃を振り回して骨董品紹介パーティーを台無しにした時に、怒ってしまう。自分の贅沢と権威を害する行動をしたからである。
そして、主人公のアンドレは状況に合わないことを言うなど、分別のない行動をするが、何よりも自分の感情をそのまま表し、自分の欲望に忠実な人物である。アンドレは定型化した規則を破るために行動し、それが原因で殺された。
その姿を見て、ポン·ジュノ監督の映画、『パラサイト』を思い出した。 下層民の生活から抜け出し、上流層の生活様式を真似て上に上がろうとした、線を越えようとしたキム家家族の中の娘、ギジョンと同じだ。結局ギジョンも同じ下層民のグンセに殺された。

映画は「階級」と人物たちの関係をストーリーだけでなく、イメージ的にも表現している。人物間の心理的距離が遠くなるほど、カメラの視野の範囲は広くなり、敵対的な関係になれば、交差編集で2人の人物を交互に見せたり、同じチーム同士でショットを交わす場合が頻繁にある。そして、貴族たちの場面はロングテイク方式で撮影していてお互いに同じタイプのように見えたが、使用人たちはカットの現れる間隔が速く、使用人たちの食事の場面に見られる編集は人物たちの分裂を表したことに違いない。貴族たちは会話のテーマが同じで、狩りなどプライベートな関係にあるため味方だと見なせるが、使用人たちはお互いに会話の意見が異なり、ただ言われた通りに仕事をする関係なので味方だとは見なせないと考えている。
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