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ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズのペインのレビュー・感想・評価

4.7
アリ・アスターのポール・シュレイダー監督作ベストで、かのジョディ・フォスターも「もっと評価したい映画」に本作を挙げている。

そこに一役どころか二役三役も買って出ているのは、我らが石岡瑛子さんの狂った美術セットの功績に他ならない。緒形拳を筆頭に佐藤浩市や沢田研二等、日本人俳優が健闘はしているが、やはり石岡瑛子さんの美術抜きには本作は語れないだろう。

「美(beauty)」「芸術(art)」「行動(action)」「文武両道(harmony of pen and sword)」の4幕構成。三島由紀夫の生涯がベースの“伝記風”映画ではありながらも、最後はやはり主人公が殴り込み🤜なポール・シュレイダー映画然としたものに自然と仕上がっていて素晴らしい親和性。

三島役の同性愛的描写などに対して夫人の瑤子氏が反対し日本公開されなかったり、アメリカでも興行的には惨敗だったようだが、三島の小説部分は凝った構成で、生涯の部分はドキュメンタリー・タッチな対比等が絶妙。
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