ペインさんの映画レビュー・感想・評価

ペイン

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行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

4.3

『mid90s』が、ある種のファンタジー性でもって90年代全体を溢れんばかりの多幸感で包み込む作風の“A面”だとしたら、本作『行き止まりの世界に生まれて』は、よりその時代を生きた人の“個人の内面”に切>>続きを読む

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.3

モリッシー、ニルヴァーナ、ピクシーズ、バッド・ブレインズ、ファーサイド、ミスフィッツ、ATCQ……オルタナ&ハードコアとヒップホップが交差する選曲が、16mmのザラついた映像と共に“あの頃(90年代)>>続きを読む

SF核戦争後の未来・スレッズ(1984年製作の映画)

5.0

エドガー・ライト、S・クレイグ・ザラーらが大絶賛する、知る人ぞ知る“これぞTSUTAYA発掘良品!”ともいうべく名作にして超問題作。久々に再見。

イギリスBBC(英国放送協会)製作によるテレビ映画で
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.3

グレタ・ガーウィグやキム・ボラといった同世代女性監督とよく比較されていますが、たしかにそれらとも似たものを感じるし、日本人として個人的にはそれ以上に親近感を抱いた。 

週末興行収入TOP10にも日本
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娚の一生(2015年製作の映画)

2.0

「成瀬巳喜男監督のような昔の大人の恋愛映画への憧れが強く、カラーで観られたらという思いがある。光の具合も含め、そうした映像をいまのカラー映画で目指しました」と本作の廣木監督は語っており、たしかに至る部>>続きを読む

人斬り与太 狂犬三兄弟(1972年製作の映画)

4.0

黒沢清監督も邦画オールタイムベスト2位に選ぶ深作欣二監督による“人斬り与太”シリーズの2作目。

1作目に輪をかけて荒削りでハイテンションでセックスと暴力の洪水。まさに有吉弘行言うところのR&B(リズ
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現代やくざ 人斬り与太(1972年製作の映画)

4.0

後の『仁義なき戦い』製作のきっかけとなった深作欣二監督による“人斬り与太”シリーズの1作目。

『仁義なき~』以上に荒削りな作りで、『仁義なき~』以上に粗野な菅原文太の大暴れ独壇場。セックスと暴力の洪
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DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)

4.0

今話題のロシア発、激ヤバカルト映画。

2008年のチャーリー・カウフマン監督による『脳内ニューヨーク』という作品がありましたが、あの作品のフィリップ・シーモア・ホフマン演じる舞台監督の主人公は、自分
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エルム街の悪夢3/惨劇の館(1987年製作の映画)

4.0

S・クライグ・ザラーもフェイバリットに選ぶ“Part3”のエルム街の悪夢。

前作はもうほぼなかったことにされている感がありますが、本作は“Part3もの”としてはなかなかの出来。

それも大傑作『ブ
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疑惑の影(1942年製作の映画)

3.5

ほぼ同時期の『三十九夜』や、『バルカン超特急』といった傑作のまじりけのない面白さ、薄らヤバさのようなものはなく、ヒッチ作品にしては少し退屈した。

ただ、ショットは流石にキマりまくり。

めし(1951年製作の映画)

4.5

エドワード・ヤン、ホウ・シャオシェン、是枝裕和、黒沢清、濱口竜介、レオス・カラックス…等々、名だたる世界の映画人に強い影響を与え続けている成瀬巳喜男。

ただ日本三大巨匠である黒澤、小津、溝口のお三方
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ノマドランド(2020年製作の映画)

3.0

アカデミー作品賞最有力候補!と絶賛ムードのなか、あれなんですが…

真面目!立派!とは思いつつもその域を超えないというか、映画的豊かさ、躍動感のようなものを感じられなかった。非常に息苦しさというか窮屈
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透明人間(1992年製作の映画)

3.0

昨日のポール・ヴァーホーヴェン版に続いて、ジョン・カーペンター版を鑑賞。

嫌いにこそはなれないし、ラスト10分ちょっとというタイミングでソフトがバグって再生出来なくなってしまったことを省いても、流石
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最‘狂’絶叫計画(2003年製作の映画)

4.0

名作コメディ『裸の銃を持つ男』の監督・脚本コンビが本作から関わったことで、前2作より全体的に格段と手堅い作りになっており、パロディ部分以外のオリジナルのコメディシーンでもこのシリーズにしてはギャグに絞>>続きを読む

インビジブル(2000年製作の映画)

4.3

1933年の古典であるジェームズ・ホエール監督版『透明人間』と、昨年のリー・ワネル監督によるリブート版『透明人間』しか観たことがなかったので、愛するポール・ヴァーホーヴェン版を鑑賞。

昨年のリー・ワ
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パロアルト・ストーリー(2013年製作の映画)

4.0

フランシス・F・コッポラの孫娘であるジア・コッポラによる長編デビュー作。

作風としてはソフィアに近いか。
ともあれコッポラ家は非常に優秀だ。

たしかに物語がはちゃめちゃでイージーモードすぎるきらい
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暗黒街(2015年製作の映画)

3.0

『ボーダーライン2』に抜擢された監督というのも頷ける非情なスローバイオレンスノワールで、テイストとしては好みだったのだが…

ただタランティーノやS・クレイグ・ザラーのその魅力的な冗長さ、鈍重さとは雲
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リバー・ランズ・スルー・イット(1992年製作の映画)

3.8

ロバート・レッドフォードは本当に品の良い映画を作るなぁ。

そんなレッドフォードの再来とも呼ばれたブラッド・ピットの初主演作。

若かりし頃の初々しいブラピも良いですが、ただやはり『ファイト・クラブ』
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第9地区(2009年製作の映画)

3.5

“『ブレードランナー』以来の驚き!”と絶賛されたニール・ブロムカンプ監督作。

正直、完成度という点では『ブレードランナー』には全然及ばない気はするが、世界屈指のインテリオタクな作り手が結集して作られ
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ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)

4.5

『花束みたいな恋をした』を観てからというもの、やはりどうしてもこの作品をちゃんと観返して比較したいという気持ちが自分の中にあって今回観返すに至ったわけですが…

なんというか『花束~』に欠けていると感
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赤い河(1948年製作の映画)

4.5

S・クレイグ・ザラーのフェイバリットでもあるハワード・ホークス監督の傑作。

壮大なる父子の確執と和解。フォードの『捜索者』同様に粗野が過ぎるジョン・ウェイン。最後は拳で解決!みたいなノリも今一周まわ
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デモンズ(1985年製作の映画)

3.5

フィルマークスの平均点数3.5が物語っている通り、3.5が本当にしっくりくる映画。

ダリオ・アルジェント製作だからといって『サスペリア Part2』のような立派な傑作を期待してはいけません。期待さえ
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死霊のはらわた(2012年製作の映画)

3.8

リメイクホラー2本立て②

後に傑作『ドント・ブリーズ』で大出世するフェデ・アルバレス監督のサム・ライミプロデュースによる長編デビュー作。

『悪魔のいけにえ』と並びチェーンソーホラー2大巨頭の1つ『
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テキサス・チェーンソー ビギニング(2006年製作の映画)

3.8

リメイクホラー2本立て①

チェーンソーホラーの二大巨頭の1つ『悪魔のいけにえ』のリメイクのそのまた前日譚である本作『テキサスチェーンソー ビギニング』。

内容的には1974年のオリジナル版『悪魔の
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彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)

4.3

荻上直子作品初鑑賞。

公開年の邦画ベスト10なるもので多くの映画好き、映画雑誌がベスト10に入れており高い評判を聞きつつも、私のなかではどうしても荻上作品への勝手な偏見、食わず嫌いがありようやっとの
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カジノ(1995年製作の映画)

4.5

再見。

1990年作の革命的名作『グッドフェローズ』の成功を受けて製作されたスコセッシの「モブ・マフィアもの」第2弾。後の『ウルフ・オブ~』然りですがやはりこの路線のスコセッシに外れはないですね。最
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日の名残り(1993年製作の映画)

4.3

S・クレイグ・ザラーのフェイバリットの1つ。

私はお高くとまったイギリスの貴族もの、コルセットものが基本的には苦手なのですが、本作はそういったいやらしさをあまり感じない素朴な良い映画だった。これをフ
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白い肌の異常な夜(1971年製作の映画)

5.0

S・クレイグ・ザラーのお気に入り映画。

イーストウッド×ドン・シーゲール監督のタッグといえばやはり『ダーティ・ハリー』が真っ先に思い浮かぶ人が多いと思うし、実際ヒットもした作品だけれど、当の作り手で
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バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

4.5

ウド・キア映画2本立て②

『食人族』、『アウトロー』(イーストウッド)、『悪の法則』、『ブルータル・ジャスティス』、『哭声/コクソン』、カーペンターのSFなんかの要素がごった煮されたどす黒く歪なクセ
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異端の鳥(2019年製作の映画)

3.8

ウド・キア映画2本立て①

“その残虐性に途中退出者続出!”みたいな触れ込みから想像していたよりはだいぶ見易かった。

溝口健二やロベール・ブレッソンを意識したと思しき映像美も相まって意外と万人受けす
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ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋(2019年製作の映画)

4.0

この作り込みすぎない弛さが心地良い。大好きな1本。

それでいて随所にしっかり問題提起もされていて、出てくるカルチャーやらもアップデートされている。まったく偉そうではないが、作り手の志の高さが伺える1
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ドッグヴィル(2003年製作の映画)

4.5

タランティーノやアリ・アスターもフェイバリットに選ぶトリアーの傑作。

アリ・アスターに至っては自作の『ミッドサマー』を、“俺の考えた『ドッグヴィル』”というようなことを公言している。

正直、声高に
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ソウル・キッチン(2009年製作の映画)

3.0

若くしてカンヌ、ベルリン、ヴェネチアと世界3大映画祭の主要賞受賞という輝かしい実績の持ち主であるドイツの名匠ファティ・アキン作。

昨年『屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ』という凄まじい怪作を観て度肝
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28週後...(2007年製作の映画)

4.3

絶品とまでは言わずもダニー・ボイル監督版の1作目よりホラーとしての出来、怖さは全然上。

ダニー・ボイルは良くも悪くも直接的な描写を避ける傾向があるし、ムードを大事にする監督なのでこの続編の描写の思い
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ザ・ピーナッツバター・ファルコン(2019年製作の映画)

4.3

“この10年で最も愛すべき映画”かはさておき、昨年公開映画では一番愛さずにはいられない1本ではないだろうか。

映画史に名を刻むといったような類いのたいそれた名作ではないかもしれないが、少なくとも私に
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レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで(2008年製作の映画)

4.0

『タイタニック』への完全にカウンターともとれる泥沼の離婚劇。

本作以降、『ブルーバレンタイン』や『テイク・ディス・ワルツ』、『ゴーン・ガール』等の倦怠夫婦映画の傑作怪作がわんさか出てきましたね。
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