ペインさんの映画レビュー・感想・評価

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ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

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かのサンローランが立ち上げた映画会社、サンローランプロダクション製作のジャン=リュック・ゴダール遺作短編(※遺作長編は『イメージの本』)。

まるでリュミエールや、更に遡ることエドワード・マイブリッジ
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テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

4.3

かのゴダールが褒めた数少ないマーティン・スコセッシ作にして、傑作女性映画『アリスの恋』(※グザヴィエ・ドランも自身のお気に入り作として挙げている)。

ハーヴェイ・カイテルはこの映画でのダメ男役とは対
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珈琲時光(2003年製作の映画)

4.5

これまたゆるんゆるんの気持ち良すぎる、ホウ・シャオシェン監督流“東京物語”。所謂ヴェンダースの『PERFECT DAYS』的な、“何気ない日常の愛おしさ”みたいなものすらも漂ってこない、お粥のような味>>続きを読む

マルメロの陽光(1992年製作の映画)

4.7

約30年前、時すでに瞳をとじていたっ!👁️

“鮮烈”な『ミツバチのささやき』や、『エル・スール』とはまたベクトルの異なる、エリセ監督によるゆるゆるっとしたドキュメンタリー。その飄々たる映画純度の極め
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フライングハイ(1980年製作の映画)

4.5

『メリーに首ったけ』ファレリー兄弟や、
『俺たちニュースキャスター』アダム・マッケイのバイブル的1作。

傑作『裸の銃を持つ男』クリエイターによる、航空パニックパロディシリーズ第1弾がU-NEXTに降
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

本作の女性監督ジュスティーヌ・トリエが挙げたFavorite Films、『イタリア旅行』、『ある結婚の風景』、『赤い影』、『アイズ ワイド シャット』、『ラヴ・ストリームス』、『ファントム・スレッド>>続きを読む

コカイン・ベア(2023年製作の映画)

4.1

本作監督のエリザベス・バンクスは、女優としてかつて出演したジェームズ・ガン監督初期傑作『スリザー』のようなコメディホラー映画を監督してみたいと願っての今回の企画だったそうな。

流石に『スリザー』超え
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.7

今年に入って、とにかく3月2日からのピーター・グリーナウェイ監督特集に行くことだけを最優先に掲げていたけれど、途中怒涛の新作公開に誘惑・翻弄され困っている(※昨年も2月・3月は本当に凄いラインナップで>>続きを読む

リトル・チルドレン(2006年製作の映画)

3.8

『TAR』のトッド・フィールド監督作✍️
主演は同じケイトでもウィンスレットの方

ようやっと未見だった本作も観て、全3作を通して振り返ってみたけれど、やはり『TAR』の化けっぷり、その飛躍っぷりは改
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.5

監督自身の子供の頃の体験や個人的な痛み、はらわたをさらすような作品は個人的に好みなものも多いが、それも映画としてきっちりと昇華されていてこそ。

本作を観ていて、監督も大好きな名作『反撥』や、中年おじ
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サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

4.1

映画監督フィリップ役を演じるルイ・ガレル(※父は巨匠フィリップ・ガレル)という控えめに言って最高な設定。

そして『ショーガール』『バウンド』『インサイダー』『Killer Joe』等、個人的に好きな
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さよならみどりちゃん(2004年製作の映画)

4.1

西島秀俊がルパン ザ・サードを歌い狂う!
そしてあのラストシーン…

今の感覚ではおぉ…となる部分もなくはないけれど、星野真里(懐かしい!)や岩佐真悠子(懐かしい!)を最大限に魅力的に撮っている。古廄
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.0

部活終わりの活発そうな女子高生たちが上映終了後、“私の見たかった北斗はこんな感じじゃない…”みたいな感じでキョトンとしておりました😂笑

しっかり朝ドラコンビのメジャーキャスティングながら、よくもまぁ
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驟雨(1956年製作の映画)

4.3

“しっかり!もっと強く👊その意気で♂️”

惚れ惚れする風船🎈エンディング。
登場人物皆口を開けば“男ってものはね~”と。溝口言うところの実に“キンタマのない”成瀬らしい作風だ。『めし』のほのぼのユー
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ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

5.0

A24、good job👍

何度か観ているが、初めての劇場鑑賞。音楽ライブ映画史上の最高峰『ストップ・メイキング・センス』(4KレストアIMAX上映)。『マッドマックス FR』なんかに並ぶ、一生もの
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.5

「哀れなるものたち」観賞後に、ランティモス×エマ・ストーン初タッグの前作「女王陛下のお気に入り」を再観賞。

当時観た時は同監督の「ロブスター」「聖なる鹿殺し」観賞後の次作ということでパンチには欠けた
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.8

最も間口の広がったランティモス監督作。

セックスシーンこそ多々あれ、実は非常に細かいレベルでの配慮が行き届いており、実はR18ってほどでもないような、総体としてはファッショナブルで口当たりの良い女性
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ヨーヨー(1965年製作の映画)

3.0

初ピエール・エテックス、
『ヨーヨー』。

正直に言えば若干の肩透かしであった🙇‍♂️サンプリング作家たる代表格のゴダールが、“当時”本作に“共鳴”したことには頷ける部分はあるのだが、大物映画人たちに
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イン・ザ・スープ(1992年製作の映画)

4.1

同監督の最新作『スウィート・シング』より力が抜けていて自然体でユルユルしていて好み🐘

ブシェミは文句無しに可愛いのだけれど、オダギリ・シーモア・カッセル・ジョーの存在が素晴らしすぎる。

同じような
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

2.0

巧いっちゃ~巧いのだろうが、これならば『アリー スター誕生』の方が断然好き。

ケープ・フィアー(1991年製作の映画)

4.5

ヒッチコックとダグラス・サークが融合したかのような、ハッタリと外連味“のみ”で出来た、めくるめく映像表現のつるべ打ちを繰り広げる『恐怖の岬』(1962)リメイク版。

この感じ…昨年の『別れる決心』を
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キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

4.7

『レイジング・ブル』を久々に見たら、いてもたってもいられず次作の『キング・オブ・コメディ』も再見✏️

デ・ニーロアプローチの象徴として一番語られる『レイジング・ブル』だが、デ・ニーロが体現する主人公
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レイジング・ブル(1980年製作の映画)

4.1

たしかに今見ると、登場人物たち全員狂犬でワンワン騒いでいて、韓国バイオレンスノワールの趣を感じる。

そんな韓国バイオレンス映画にも影響大な北野武が好きな数少ないボクシング映画の1つでもあり、『キッズ
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アリスの恋(1974年製作の映画)

4.7

ルキノ・ヴィスコンティやマックス・オフュルス等に捧げた名作『エイジ・オブ・イノセンス』(※間もなく早稲田松竹にて上映!)とはまた趣の異なるスコセッシ女性映画路線の傑作。

企画・主演のエレン・バーステ
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アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022年製作の映画)

4.5

年内最後に鑑賞作にして、凄いモン見せられた。

アリ・アスターも絶賛の『エヴァの告白』や、ドストエフスキー“白夜”の映画化『トゥーラ・バーズ』、『リトル・オデッサ』等の傑作で知られる私の好きな監督ジェ
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.8

毎年、紅白歌合戦だけでしか見ることがない石川さゆりをフライングゲット👍

主人公平山が牛乳🐮、姪っ子がいちごオレ🍓を同じタイミングで同一フレーム内で飲むショット、自転車🚴‍♂️で並走して橋を渡るショッ
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赤い天使(1966年製作の映画)

4.7

若尾文子の軍服コスプレ!

増村保造ギャグセン高すぎ
映画ウマすぎ。

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.7

最高。最高。最高。

なんたる体感の短さ!どこまでもアナログで、画面に余計なものが無く、シンプルに良い映画を観たという余韻においては今年ベスト。

“変わらずに変わり続ける”、いつものカウリスマキであ
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マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.1

撮影・四宮秀俊!(「ドライブ・マイ・カー」「きみの鳥はうたえる」「佐々木、イン、マイマイン」)

『翔んで埼玉』とは全くベクトル違いな
サイタマ映画。奥平くんの真摯な佇まい、眼差し力。Instagra
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苦い涙(2022年製作の映画)

4.1

10年前の『17歳』という作品で女優マリーヌヴァクトとタッグを組んだ辺りくらいから、オゾン監督の職人芸ともいうべく、多ジャンル多様な、軽やかなペースでの作品作りに、“勢い”が乗ってきたように思う。特に>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.7

活劇及び語りのバランスにおいて、
“スパイ大作戦”の1つの完成形を見たような傑作“ローグ・ネイション”(前々作)とはまた別ベクトルに、最早トムにしか許されない、歪ながらも実験映画的興奮に満ちた、300
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カード・カウンター(2021年製作の映画)

4.3

今年『救命士』(脚本)『ミシマ』『ハードコアの夜』等を観て、いや~好きだなぁ~ポール・シュレイダーとなった流れでの鑑賞。特に『ミシマ』は頭一つ抜けて傑作。

シュレイダー自身は、“あれは微妙だったすま
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突然炎のごとく(1961年製作の映画)

4.7

『夜』『死刑台のエレベーター』『雨のしのび逢い』等、普段映画であまり笑わないイメージの強いジャンヌ・モローを、この映画では沢山笑わせたかったと語る監督のフランソワ・トリュフォー。たしかにこの映画ではよ>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

4.0

“この世界で生きていくために、
手を組みませんか?”By磯村勇斗

今年のシネマ流行語大賞候補でしょうか(笑)くれぐれも普通の人がプロポーズで言ってはいけません←

英題の“(ab)normal de
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ヤコペッティの大残酷(1974年製作の映画)

4.3

アレハンドロ・ホドロフスキーの『ホーリー・マウンテン』や、フェデリコ・フェリーニ『サテリコン』を、更にファンタジックにデタラメに飛躍させたような奇っ怪極まりない1作。

ヴォルテールの小説『カンディー
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WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

4.7

ジョン・カサヴェテスに匹敵する女性と評された監督兼主演のバーバラ・ローデン。

“忘れられた傑作”と言われるのもわかる地味な作品ではあるものの、鑑賞前に想定していた『リバー・オブ・グラス』(ケリー・ラ
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