たぬき

私の、息子のたぬきのレビュー・感想・評価

私の、息子(2013年製作の映画)
3.4
息子が交通事故で人を殺してしまったにもかかわらず、お金で解決しようとする母親のコルネリアから見て取れたのは、息子に対する間違った愛情の注ぎ方と、ルーマニアの貧富の差。
言うまでもなく、コルネリアのバルブの愛し方は間違っていたと思う。全く通うことのなかった親子二人の気持ちが、最後なシーンで少し変わったのが救い。
そして、ひとりの人間を殺したという大きな罪でさえも、コルネリアの力でもみ消してしまえるようなルーマニア社会に驚いた。チャウシェスク政権崩壊後の経済発展の裏に、こんな社会があったなんて。
全体的には、こういう親子ってよくいるよなーというリアルさがいいけれど、だからこそ平坦で退屈でもあった。もちろんアクションやサプライズを求めて観た映画ではないけど。
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