湿疹

掟によっての湿疹のレビュー・感想・評価

掟によって(1926年製作の映画)
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クレショフってこんなに面白い映画撮ってたのか 
目玉をひん剥いた鳥みたいな役者の顔の強度合戦は相変わらずだが、それよりもやはりモンタージュの妙か、演劇的な緊張感が終始ある いわゆるクレショフ効果だなという感じのあからさまなモンタージュからもっと実験的なうまく仕組みを言語化できないものまで多岐にわたる 剃刀を一瞬喉に当てるところや首吊り死体になったはずの男が帰還するシーンの水浸しの足元だけのショットなど、ちゃんと怖い
そして何よりもその緊張感が、後半の彼らを取り囲み陸上とは異なる独自の掟をもたらす、静止した、だが動態的な水の状態と共振している点が素晴らしい むしろこういうのが撮りたかったのではとすら思ってしまう 前半の「雪解け」はプドフキンの『母』を彷彿とさせる 水に囲まれた小屋で燃える炎などからも、タルコフスキーはこの映画をどう思っていたんだろうと邪推してしまう どこかに資料はないんだろうか……
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