聞こえてくるのは生活音の連続。
会話も少なければBGMもない。
無論ナレーションもない。
説明らしいものが少ないから我々鑑賞者は主人公の行動の理由を推測しなければならない。そして彼女が時折沈黙する時間の意味を考えなければならない。といってもラストのアレについて何故そんなことをしたのか、誰も正解は出せないだろう。
監督に試されてると思った。
日々のルーティンの地味な崩壊が彼女の精神状態を表しているとすれば、それでは何故彼女は壊れてしまったのか、それは鑑賞者が各々考えなければならない。
一から十まで説明してくれる優しい映画ではないが、映画の表現力の奥深さを堪能できる作品だろう。
長かったが、眠くならなかった。
監督の力量だと思う。