saccharin

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマンのsaccharinのレビュー・感想・評価

4.5
英国映画協会の【史上最高の映画100】において2022年のランキングで第1位になった作品。
女性監督が1位になるのは初めてだそうです。
1975年、ベルギーの映画。

ある女性の3日間の日常?を描いた話し。
この映画の特徴はとにかくワンシーンが長い。
日常のなんでもない動作、風呂磨きハンバーグ作り、靴磨きなどを延々と見せられます。

1日目はそれが非常にキツイです。
体調万全じゃないと確実に寝ます。
倍速で見たいという気持ちが浮かんできます。
僕も一回リタイアしました。
だから映画館で見るのは逆に危険です。後戻り出来ないから。

ただ2日目の中盤あたりからそれが平気になってきます。
「この女性は今一体どんな心境なんだろう?」と気になってくる。
そしてだんだん不協和音が漂ってきます。
やってることはほぼ同じですが、
余裕を感じさせた1日目と比べて微かなイライラが伝わってきます。

3日目になるともう目が離せなくなってきます。
もはや何もしてないただ座ってるだけのシーンですら「見れる」ようになります。

最後に伝わってくるのは日常における「空虚な絶望」といった所。
この映画は監督が子供の頃に見ていた母親の身振りを参考にしているそう。
退屈過ぎると感じる人は非常に多いと思う。
途中から女性の日常に入り込めれば見ることが出来る映画です。

PS
キッチンスペースはとても重要だということ。
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