momomo

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマンのmomomoのレビュー・感想・評価

-
何がディエルマンを狂わせたのか?じゃなくて、この時代を生きていた女性の感じていた抑圧の大きさなら、普通の日常をやっててもまともな女たちは狂うんだと思う。そしてディエルマンはそれを表す言葉を持っていなかった、だから長すぎる沈黙も静止画かと思う画も少ししかしないし同じ単語ばかりの会話も全部がより鮮明でリアル、そら恐ろしい、いや恐ろしくはない、小さくて古くて綺麗に使いこまれた部屋で行われてる全ては今だってまったく現実にある。冒頭の男性のお客様の脱いだものを何も言わず、何も言われずに持ってあげるシーンから、家政婦のような振る舞いのシーンすべてにじんわり不快感がまとわりついた。強迫観念のように繰り返す機械的な動きや言葉は、そこにしがみついていないと倒れてしまいそうな危うさからのものな気がした。必要ない動作何度もしてたの気持ち分かる。好きとか嫌いとかいう感想は無かった。見られてよかった。
momomo

momomo