ねこみみ

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマンのねこみみのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

これは・・・・・・・
すごいのはわかる、わかるし、なによりもこの構成に挑戦したことがものすごいんだと思う。
何が起きるのか考えながらみていても3時間半ほぼずっとなにも起きない。
音響もなし。お喋りも必要最低限。つまり登場人物の感情がほぼ全く伝わってこない。
普通ならカットするような細かな動作が最初から最後までずっと映し出される。例えば風呂場で全身を洗う作業。夕食を出すところから食べ終わり食器を洗うところまで。食器を洗い始めてから洗い終わるまで、ずっと背中を見せられる。そんな時間が過ぎてゆく。
静かに響く生活音を聞く3時間半。3時間半で3日間を描く。
室内は定点だし、外に出る時間もとくに大したことはおきない。

でも、この3日間の中で、微妙に、でも明らかに、ルーティンが崩れていく。
お金を入れる壺の蓋を閉めない。じゃがいもを焦がしてやり直す。夕飯が遅くなる。コーヒーが美味しくない。カフェのいつもの席が空いていない。
なんだか不安が襲ってくる。主人公が壊れていく気がする。
そしてラスト。
全部、このラストのためだったのか。

いやー。これは家で見るのは私には不可能、映画館で見れてよかった。映画館でも最初の方10分くらい寝た(笑) 不安が襲ってきてからは目が冴えたけど・・・
二度と見ないけど、見れてよかった。映画の概念を覆すような作品。
映画好きじゃないと最後まで見るのは無理だと思う笑

めちゃくちゃすごいんだけど、好きかと言われるとなんだかよくわからない。故に4以上をつけられない。3.5で。でもすごいです。本当に。
ねこみみ

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