ヴレア

六月の蛇のヴレアのレビュー・感想・評価

六月の蛇(2002年製作の映画)
3.6
最初は弱味を握られた人妻が変態ストーカー男に掴まり、色々と酷い目に遭うという話で、官能サスペンス?なのかなと思ったけど、変態男の思惑が明らかになるにつれて段々と物語が変容し目が離せなくなった。
さらには、人妻の視点→夫の視点へと移る事でより3者の立場が明確になり面白くなっていった。

簡単に言うと、3人の満たされない人間が己の欲望を解放し、自分に素直になる事で再生していく、そんな物語だった。
雨の降りしきる6月、紫陽花の上を蛇の如く蠢くカタツムリが、まさに主役の3人を表しているのだろう。殻に閉じ籠っていては何も解決しない。殻を割る事でやっと蛇になる事ができるのだろう。
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