キモサベ

ビザンチウムのキモサベのレビュー・感想・評価

ビザンチウム(2012年製作の映画)
3.4
吸血鬼母娘、“陰気”な物語
そんな中にあって「もっと全うな生き方をしろ」と母親を諭す娘が救いです

最初に陰気と書いてしまいましたが、本作の勝因はダークな中にも陰と陽の世界を描けたところにあると感じました
すなわち
「吸血鬼には吸血鬼の生き方がある」・・・だって吸血鬼なんだからしょうがないと、楽天的?ドライ?に割りきる母クララ(ジェマ・アータートン)
「何で吸血鬼なんかに生まれて」、なぁ~んて葛藤しつつも人の血を吸う(すなわち命を奪う娘エレノア(シアーシャ・ローナン)
・・・と、この両者の生き様が自分には“陰と陽”に写ったのです

あるいは言い換えるなら、『嘘と真実』の物語であると

そりゃ、200年も生きてりゃ辛いはなぁ

現代に生きるヴァンパイアの悲哀あり、時空を超えたSFあり、それとなんと言っても自分が好きなシアーシャ・ローナンの良さを活かしてくれている作品でしたので、点数甘くなりました

【追伸】
劇中、娼館のロビーでテレビを見ているエレノア
ご愛嬌で、流れていたのは女吸血鬼の映画でした
自分も観たことあったような、何てタイトルだったろ?
「吸血鬼ドラキュラ」(1958年)あたりでしょうか? 調べておきます
キモサベ

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