クリストフォルー

大統領の料理人のクリストフォルーのレビュー・感想・評価

大統領の料理人(2012年製作の映画)
4.3
日米首脳会談の昼食がハンバーガーなのが、トランプの遺産か、非常事態のせいかは知らないが、なんとも侘しい話題だった。
以前に『エリゼ宮の食卓』という本を読んだが、食卓外交の本家だけに、エリゼ宮の厨房のヒエラルキーやプライドは、そりゃ高くて当然。
そんな世界に、突然圏外から、南仏の郷土料理に長けたオバサン料理人が、女性初の《大統領のプライベート・シェフ》として飛び込んできたのだから、軒を貸しても母屋は取られまいと抵抗されるのはやむを得ないところ。
そんなオバサン料理人のエリゼ宮での孤軍(?)奮闘ぶりと、南極料理人としての最後の一日を対比させた描写は、一人の料理人の悦びと孤独を無理なく伝えてくれた。料理人だから出来ること、料理にしか出来ないことがあると、あらためて教えられたかな。
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