ほおづき

大統領の料理人のほおづきのレビュー・感想・評価

大統領の料理人(2012年製作の映画)
4.0
なんなのこの手の込んだ料理の数々・・・
調理過程の説明を聞いてるだけでおいしそう・・・物語はちょっと共感できなかったけど、とにかく料理の描写がよかった映画。


この映画は、フランス大統領の専属料理人に抜擢された実在の人物、オルタンス・ラボリという人の伝記的作品らしくて、もともと郷土料理人だった彼女の、大統領のためだけに料理を作ってた時代と南極でおじさん達に料理をふるまっていた時代を交互に綴るおはなし。

もしかするとフランスに詳しければ分かるような描写があったのかもしれないけど、そもそもこの人のことは知らないし、当時の大統領のことも知らないし、セリフだけの情報ではわからないこともあって、いまいち物語に入り込めなかった。だから主人公がなにかにつけイライラプンスカしてる、感じの悪いおばさんにしか思えなくて伝記としては印象がよくなかったかも。

もしこの映画を日本で例えるとすると、田舎の凄くおいしい寿司屋の板前さんが官邸の料理長を頼まれて、総理とは仲良くなったけど人間関係と方向性の違いに嫌気がさして、独立資金を稼ぐために高収入の北海道の工場の厨房で仕事した後に、最高級のウニの養殖やる!って仕事辞めるかんじ・・・かな?意味は分かるけど共感はできない。いやなんで?ウニなんか作んなくていいから美味しいお寿司もっとつくろうよ!ってなる。


でも、ストーリーはともかく、それ全部無視してでもこの映画の魅力はその料理の描写の良さだったと思う。もっと食べ物のシーンがあってもよかったとは思うけど、きちんと調理過程や料理そのものをアップで映していてほんとにおいしそうで眼福・・・
どれも食べたい・・・ワイン飲みたくなる・・・たまらん・・・
そんな映画。


ちなみにこの女性のことを検索したら、めちゃくちゃ品のよさそうなおばあちゃん出てきて安心した。