西村大樹

黒薔薇昇天の西村大樹のレビュー・感想・評価

黒薔薇昇天(1975年製作の映画)
4.0
ブルーフィルムを題材にした映画といえば、今村昌平監督の『人類学入門』がある。同作はブルーフィルに関わる人の人間模様を軸に描き、ブルーフィルの制作はギミック的に使われている部分があった。もちろん、傑作に違いはないのだが。
本作は、ブルーフィルの制作自体に焦点をあて、そこで売れるブルーフィルを作ることに固執する姿が軸に描かれている。そしてその光景は、ロマンポルノに移行した日活に重なって見える部分もあったりする。
「これは芸術や」とスタッフやキャスト、そして自分にも言う姿に、ロマンポルノ路線への戸惑いを観られなくもない。
西村大樹

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