このレビューはネタバレを含みます
こういう話大好き。事前にあらすじあんまりちゃんと読まずに見たけど、板倉とタキちゃんが出会った瞬間に、この2人の恋が始まるのかな〜って思ってたら奥さんかーい。
でもあの時代の不倫って、今の時代よりもいけないことしてる感がスゴイし、なんか普通の恋愛よりドキドキしちゃう。板倉役の俳優サンはイケメンではないのになんか色気があるよね。奥様目線じゃなくて、女中目線っていうのが、また面白い。
昭和時代の豆知識とか人々の感情とかもよく描かれてて勉強にもなった。なんとなく女中＝苦労してるみたいなイメージ抱いてたけど普通の職業だったんだ。タキちゃんの見合い話を奥さんがちゃんと断ってくれてよかった。あれって奥さんがいい人じゃなかったら、あんな感じで断れずに好きじゃない人と結婚するとか昔はよくあったんだろうな…
帯の結び方が違うとか、お茶は入りませんとか、そういうので何かがあったって描写するのが個人的にたまらん。直接的に描かれるより想像が膨らんで余計にやらしい。優しかった奥さんが、分かりやすくイライラしてるのも人間っぽい。
タキちゃんが結局手紙を渡さなかったのって、板倉さんのことちょっと好きだったのかな…最後まで結婚もしてなかったらしいし、晩年まで部屋に飾ってた赤い屋根の絵画は板倉さんから貰ったものかな…？戦争から帰ってきて会ってたのかも…おばあちゃんが小さい家での思い出を振り返って、あんなに泣いてたのも奥さん達が死んでしまった悲しさとか手紙を渡さなかった罪悪感だけではないのでは…？奥様が死んだ後にタキちゃんと板倉さんがいい仲になってそれが奥様に後ろめたくて泣いてたとか…？その辺のことがはっきりとは描かれずに、見てる側が色々想像できるラストがいい…！！！山田洋次さすがだわ。家族は辛いよを見たことがあったので出てるキャストがほぼ同じで、全員家族やん！！！って思ったけど、こっちが公開先なのか。奥さんと板倉さんとの恋愛感情も一歩一歩ちゃんと進んでいく感じがいい。旦那が絶妙に亭主関白っぽくて、奥さんが板倉を好きになることにも納得感がある。
あと倍賞千恵子さんの声があまりにもソフィばあちゃんでずっとソフィの顔が頭から離れなかった。とても素敵な声。
