湊鼠

小さいおうちの湊鼠のレビュー・感想・評価

小さいおうち(2013年製作の映画)
3.5
モダンな住まいや身なり、寄り添うような音楽。
こういった時代の作品はまだ観ることが少なかったから新鮮かつ学びが多く、いい時間。

ストーリーとしてグサッと刺さるようなものや思い返すようなことが見当たらないけど
切ないラブストーリーであるとも言えるし、繋がって再開するというのがドラマチックだなとも思った。
でもなにより、好きなのにそれをずっと黙っているという状況が一番辛い。
旦那様にバレて離れ離れにさせられるみたいなありがち展開じゃなかったのよかった。
問いかけエンドは考えさせられてしまうからずるい。

“おばあちゃん”がよく分かる描写大好き。
包丁を使う曲がった背中、シワシワの手で運んでくれるご飯、孫が食べる様子を不安げにはたまた嬉しげに見る。
大好きだけど、恋しくなってしまうな。
語りもほとんどが倍賞千恵子さんであるから、もうなんとも心地よく、暖かい気持ちになった。

松たか子は人当たりのいい綺麗な女性像にぴったりのひと。
片岡孝太郎、昔の人!って感じの話し方が凄くいいなと思った。
吉岡秀隆は存在が罪深い……惹き付けられちゃう表情をする。

小説を読んだ方がいいらしい。
湊鼠

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