チッコーネ

悪の法則のチッコーネのレビュー・感想・評価

悪の法則(2013年製作の映画)
3.7
舞台美術や美粧にお金がかけられており、画面のクオリティは高い作品。キャストも豪華で、スターの魅力がほとばしる。しかしそれぞれ救われず、悲惨な目に遭うという展開、アメリカ映画にしては斬新。まぁ監督がイギリス人だからね。

犯罪そのものの背後に横たわる深い闇への恐怖は、各キャラの動揺から観る者へと伝染していくが、間接的なアプローチとデティールを重視した結果、クライマックスへ持ち込む力が弱まっている。

しかしニューロティックものと呼んで差し支えないような異常性を湛え、ビートニク風味も感じさせる脚本は、個人的に好みだった。言葉を弄ぶような前半の台詞の応酬も、知的で面白い。

キャメロン・ディアスが出演している作品なんて、これまでほとんど観たことがなかったのだが、印象は意外と悪くなかった。
本作では最もハードな演出に身体を張って応えたためか、一番良い役回り。