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ヴァン・ゴッホ~最期の70日~のkayのレビュー・感想・評価

3.0
精神病院を退院してから死ぬまでの約70日間、一番精力的に創作したと言われる期間のお話です。非常に淡々と描かれてるので、好きでない方は寝落ちするでしょうw セザンヌやピサロといった印象派が世評を得ていたころ、彼らが描いた同じ村を、全く違った自分の描きかたをして認められなかった。自分の才能を家族にさえ信じてもらえない、その家族に養われている、屈辱を通り越した絶望と孤独。状況を打開するために「自分を変えなくては」と、川に飛び込んでしまう不器用さとパッション、自分の才能に対する揺るぎない信念。ぐるぐるの星空やくねくねした糸杉の絵が大好きなのですが、自信と絶望の狭間で生まれてきたと知って納得しました。一瞬の光をとらえた印象派の絵ももちろん好きなのですが、観たあとの残照の強さは断然ゴッホ作品が強いです。魂としか言えない何かがキャンバスに残ってる気がします。作中にあるように、ゴッホの描いているところを後ろから眺めてみたい。
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