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O嬢の物語のkikiのレビュー・感想・評価

O嬢の物語(1975年製作の映画)
4.0
近頃は澁澤龍彦を読んでおり、エロティシズムやポルノグラフィーに耽溺している。サディズムとマゾヒズムの間で揺蕩う甘美さにはすっかり魅了され、心が強く惹きつけられる。
人間という知性を持った生き物としてではなくただの肉体としてそこにあり、従順で無抵抗でありつつも色情狂である女性像。それを求める男どもは心底気持ち悪いと思うが、艶やかな描写のお陰でその部分に関しては殆ど嫌悪感が湧かない。
車中で男が女にガーターベルトと下着を脱ぐように示唆する場面では、Oをオブジェクトとして愛でてるように感じられる。その後始まる倒錯的な蹂躙と鞭打とは一線を画しており、最も背徳的だった。
総制作費六億かかってるだけあり城館と衣装は圧巻。
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