KOTAYOSHIDA

戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-01 恐怖降臨!コックリさんのKOTAYOSHIDAのレビュー・感想・評価

2.0
コワすぎ!シリーズに大興奮し最終章のクライマックスでは落涙したまでの私でも今作は全然ノレなかった。全然ダメ。

そもそも視聴者に対して語り掛ける導入部分から個人的には全然ダメで、フェイク・ドキュメンタリー形式の作品だとしてもこれは余りにもメタ過ぎないか?と感じた。

また内容の割には尺を取り過ぎている投稿映像のせいで中々話がドライブしていかないし、コワすぎ!シリーズの醍醐味でもある荒唐無稽な超常現象を専門家を巻き込んで大真面目に検証していくという展開も無いのでこの超常現象はマジで本当にあった事なのかもと信じさせる説得力も無く、そのせいで話自体を中々呑み込むタイミングも無く、マジでただのトンデモB級映画になってしまっている。荒唐無稽に輪をかけたように更に荒唐無稽な方向に飛躍し続ける白石節も無く話的にも盛り上がりにかける印象。

個人的に最も残念だったのが工藤Dの暴力描写。これまでの工藤Dの暴力描写はあくまでも物語を駆動させる為のブースター的な役割が強く、そういう意味もあって工藤Dが自然に発露させる人間性としての暴力としてしっかりと描けていたし、ああこの人はこういうパワハラ体質の人で仕事の為ならマジで何するか分からない人なんだという本質的な怖さもあった。市川ADへの日常的なパワハラもしっかり伏線として効いていた。しかし今作の工藤Dの暴力はこれ見よがし過ぎるというか、端から「俺は暴力を振るうんだぜ、皆俺が暴力振るうの観たいだろ?」という態度になっていてそこが全くノレなかった。今作の工藤Dはただのイキってる暴力オヤジで主人公としても非常に肩入れしずらい。

あれこれもメタ過ぎる視点故の描写が目立ったのがとにかく残念。ただクライマックスの「グレイヴ・エンカウンターズ」的ドタバタ展開と、コックリさんとガチで物理的プロレスに持ち込む工藤Dも非常に良かった。ただこの展開も前半でしっかりとした手順を踏んでこそ生きてくる荒唐無稽さなので本当に惜しい。
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