かぎろい

アナと雪の女王のかぎろいのレビュー・感想・評価

アナと雪の女王(2013年製作の映画)
5.0
ようやく、初めて『アナと雪の女王』を観ましたよぅ!思っていた以上にスゴかったです。子供も大人も楽しめる作品でしたね。
日本で公開されたのが2014年3月14日なのでもう3年近く前になるんですね。

ちゃんと観たのは初めてだけど、あらすじとか歌のシーンとかはちょこちょこTVで流れたりしていたのでだいたい知ってた…つもりだったんですよね。あとあれだけ流行ったんだから今さら観てもねえ…って感じでいたので、それでも面白いと感じたんだからすごい。

「レット・イット・ゴー」が流れた時はわかっていたのに感動した。あのシーンのもつ力強さは何なんでしょう。久しぶりに魂を震わされたな〜。たぶんあのシーンまでにエルサに感情移入していたからなんでしょうけど。あと、ありのままでいいの〜♪といいながら冷たい孤独の城を作り上げていくさまは現代的な陰と陽を感じさせてちょっとした戦慄もおぼえました。

テンポも早くて次々にいろんなことが起こるからいろいろと考える余地があって深いです。今まであのディズニーアニメ特有の動きが苦手だったんですが、これはテーマが重いというか暗いというか、絵的にも雪の重い描写が多いから重だるくなりそうなのに、逆にキャラの動きがコミカルだからバランスが取れていて初めて動きのコミカルさがありがたかったなという。

エルサのあの何でも凍らせてしまう魔法は何のメタファーだったのか? 人それぞれいろいろな解釈があるでしょうが。おとなしいエルサの心の壁なのでしょうけど、けっこう感情が爆発したときに出るのを考えると「いきすぎた感情表現」の具現化なのか、「先天的な病気」を表現して他人とは違うという苦悩を描いたのか。
どうもあの両親の描き方が気になるんですよね…いい人たちではあるんだけど、イマイチ二人の娘のことを主にして考えてないような気も…?
わたしはどちらかというとアナよりもエルサ寄りで感情移入してました。活発で愛くるしいアナのほうが国民から慕われいるんだろうな…っていう。わたしが一人っ子で弱いものを守る立場だからかとも思うんですが。子供のエルサがアナを攻撃したのも実はアナへの無意識の劣等感やさびしさが出たのではないか…とか考えちゃいました。そういえばあの過去の出来事に対してエルサはちゃんと向き合ったんだっけ? 過ちはだれでも犯すものだからそれを自分なりの解釈で落とし所を見つけてないとどんなに新しい未来を紡いでもずっとそのまま残っちゃうからね。

うーん、なんかまだまだいっぱい言い足りないことがあるんだけど際限なく語ってしまいそうだからこのへんにしておくか(笑)

あー、あとオラフが死なないことにもびっくりしたなぁ。絶対最後溶けてなくなると思ってた。製作者側もそう予想を立てられるようにさせといてからの、あの解決!だからね。「オラフはアナとエルサの養子」っていう解釈している人がいて、それってすごく現代的だしお話としても進化してる!って感じる考え方ですね。
あと、ハンス王子が最後は物語的に悪者扱いでやっつけられちゃってるけど、現代の女性はああいう「野心があって狡猾な男」が好きだよね、って男は思っています。跡継ぎではないけれどそこそこお金があって頭が切れて紳士的で裏ではオラオラっていう…まあ肝心の「愛」にかけていたので正式なヒーローにはどのみちなれないか。
まあでも実際に旦那にしたいのはクリストフタイプか…と思いきや彼もエルサと天秤にかけられて負けてるしね(笑)。この映画はとことん男の扱いがヒドいなあ(笑)。
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