ポルりん

アナと雪の女王のポルりんのネタバレレビュー・内容・結末

アナと雪の女王(2013年製作の映画)
2.3

このレビューはネタバレを含みます

世間的に評判が良かったので期待して観たら少し残念だった作品。

あらすじ

エルサとアナは美しき王家の姉妹。しかし、触ったものを凍らせてしまう秘められた力を持つ姉エルサが、真夏の王国を冬の世界に変化させてしまった。行方不明になったエルサと王国を何とかすべく、妹のアナは山男のクリストフ、トナカイのスヴェン、夏に憧れる雪だるまのオラフと一緒に山の奥深くへと入っていく。


2017/03/04に地上波で鑑賞。

世間的にはかなり評価が高いが、私としてはそこまで評価される作品ではないと思う。
確かに映像は素晴らしく氷と雪の世界の美しさを上手く描写しているし、挿入歌である「レット・イット・ゴー」はなかなか耳に残るメロディであり、いい曲だと思う。
本作でいいと思ったのはそのくらいで後は微妙に思う部分が多かった。

音楽に関しても「レット・イット・ゴー」はいいと思うが、他の曲はそうでもないと思う。
アラジンの「A Whole New World」やライオンキングの「Can you feel the love tonight」など、ディズニー映画は映像を見ることなく曲そのものが素晴らしいのが多いが、本作では映像ありきが非常に多かった。
「生まれてはじめて」や「雪だるまつくろう」など正に映像ありきだと思う。
「とびら開けて」が流れアナとハンス王子がロボットダンス(?)をするシーンで苛立ちを感じたのは私だけなのだろうか・・・。

キャラクターも魅力的に思えるものは特にいなかったが、不満なキャラクターもいなかった。
あえて挙げるとしたらアナであり、私のかなり苦手なタイプである。
ずっと一人遊びばかりしてたせいもあって人の気持ちが分からないので仕方がないのかもしれないが、もし私がエルサの立場だったら何回か殴っていると思う。

ただし、物語の終盤でアナがクリストフorエルサの選択でエルザを選んだ点はかなり好印象だった。
これは、クリストフとエルザではエルザの方が好きだという事ではなく、自分の命よりもエルザの方が好きという事である。
オラフが「愛とは、自分よりも相手を想うこと」と言っていたが、エルサを選択した事によりアナは真実の愛に気付き呪いが解けるという事なのだと思う。
この部分はいいのだが、これだとクリストフがかなり不憫に思えてくる。
どうせだったら、ゲス王子であるハンス王子orエルサといった選択肢になるようにした方が良かったのではないだろうか・・・。
そうなってくるとクリストフがいらなくなってくるが・・・。

そういえば、冒頭でクリストフがエルザの秘密を聞いているのだが、なんとか伏線に活かせなかったのかなぁ~。
伏線といえば、ハンス王子がゲス王子という伏線をシャンデリア以外もう一つくらい盛り込むべきではないだろうか・・・。
元々胡散臭さがプンプンしていたし、全然悪人がいなかったのでハンス王子がゲス王子だというのは何となく分かるが・・・。
シャンデリアは少々分かりにくいし、あまりにも突然の豹変なので違和感を感じた。
出来ればアナがエルザにハンス王子を紹介する辺りに伏線を一つ盛り込んで欲しかった。

ついでに、真実の愛をテーマにするのであれば、アナとエルサの間に疑心暗鬼とか色々と盛り込むべきではないだろうか・・・。

一国の危機を舞台にしているにも関わらず、物語の舞台の範囲が異様に狭いのでスケール感がまるで無いように感じる。

決して悪い映画ではないではないのだが、良い映画とも思えなかった。
松たか子の歌が素晴らしく、映像が綺麗なだけの映画だった。


ここからは本編とは関係ない話になるのだが、テレビで「アナと雪の女王」が放送する前に「アナ雪が100倍楽しくなる!!ディズニーの知られざる秘密SP」というものを放送していた。
大々的にアナ雪が100倍楽しくなる!!と謳っているのだが、果たしてこれを見て100倍楽しくなる人が何人いるのだろうか・・・。
ディズニーランドやディズニーシーの宣伝が大半を占めているし、「アナと雪の女王」の話題といったら興行収入とサントラの売り上げが凄いという事とちょっとした小ネタ集くらい。
しかも、小ネタで肝心な部分のネタバレをしているし・・・。
「アナと雪の女王」を初めて鑑賞する人には逆につまらなくなるんじゃないか??
「アナと雪の女王」のエンディングを改悪はするし、腐臭の漂う腐りきった考えが目に見えて分かる。
いいかげん視聴者のニーズに合ったものを見せて欲しい!!
ポルりん

ポルりん