MihoIwahata

世界一美しい本を作る男 ―シュタイデルとの旅―のMihoIwahataのレビュー・感想・評価

5.0
最近ではほとんど目にすることがなくなった活版印刷。
オイルインクの色のノリ、香り、濃ゆさ。
紙と紙が擦れる音、肌触り、厚み。
「売れる本を作ったそのお金で、こだわり抜き、本当に作りたいと思った本を作る」と言うシュタイデル。
見事に全身全霊をかけて作り上げる様は、尊敬に値する。
写真家のこだわりも汲み取りつつ、己の信念を曲げない。
さらにいいものを作るためにはどうすれば良いのか?
一対一で本と向き合う。そこから生まれる新しい発見や可能性に、こちらまでワクワクしてしまう。
この世の中に、こんなにも心を込めて作った紙媒体はどれだけあるのだろう。