志々雄真実との闘いの中で神谷薫救出のために身を投げ出し、絶命の淵を救ったかっての師・比古清十郎に奥義伝授を嘆願する緋村剣心。一方で世に動乱をもたらさんと戦艦・煉獄による東京急襲を決行する志々雄。同じ時代に人斬りとして生きながら全く異なる生き方を選んだ二人による天下分け目の決戦を描いた人気漫画実写版第三弾です。
三作を通して結束を高めたチームを継続しての集大成となる作品で、持ち味の華麗な剣劇アクションを、原作でも指折りの名勝負である四乃森蒼紫戦、瀬田宗次郎戦、志々雄戦を次々と高クオリティで再現していて、格闘ゲームを見るのにも似た興奮に胸が躍りますが、一方でストーリーは原作ファンにすれば納得し難い描写が少なくないです。
藤原竜也はサイコテロリスト風に得意の大仰な演技を披露するも作劇にあける言動のスケールは小さく、悪ながらも粋で酔狂で圧倒的なカリスマの領域までは至ってはいません。それでも漫画史上でも屈指の敵役の退場、高らかな笑いと共に炎の中で息絶えるシーンは、もっとやれた感はありつつもファンとして見て良かったと思える一作です。
