のり

シビル・ガン/楽園をくださいののりのレビュー・感想・評価

3.0
南北戦争を南部ゲリラの視点から描く。主演は旧スパイダーマンのトビー・マグワイア。

邦題はなかなかにダサいが、南北戦争を知るために見て損は無い作品。高校で習うくらいの南北戦争の知識くらいあれば、より深く見れると思う。

南部の視点なのに、彼らが残虐であると感じるような構成や奴隷制に反対なのに、白人と黒人の絆が描かれたりと時折見られる矛盾性が斬新。

南北戦争が描かれる映画はベトナム戦争や世界大戦より圧倒的に少ない。戦争映画は世論誘導に効果を発揮しやすいジャンルであり、南北対立の問題は現在も続いている。映画を製作する上で偏ったプロパガンダになってはいけない中で、これほど南部の愚かさを訴えた作品は貴重。南北どっちが正しいかとか映画自体の面白さは別として。

主人公のゲリラ軍の中での成長物語が軸であるが、その点は弱かった。むしろそれ以外に興味を惹かれる。時間もそこそこだし、人がたくさん死ぬ割には壮大なBGMのおかげかそこまで重くならなかったので気軽に観れた。
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