カタパルトスープレックス

ランボー3/怒りのアフガンのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

2.3
アメリカのプロパガンダ映画に成り下がった残念な作品です。

前作の『ランボー/怒りの脱出』で大胆なエンターテイメント路線に舵を切った「ランボー」フランチャイズ。本作はその発展版となります。前作の最後で嫌な予感は少ししてたんですよね。すごく愛国主義っぽくて。まあ、それでも前回はベトナム戦争で取り残されたPOW(戦争捕虜)を救い出す話なのでまあいいでしょう。退役軍人たちのラブコールに応えて作った『ランボー/怒りの脱出』ですしね。

しかし、今回の舞台はアフガニスタン。敵はソビエト連邦。これ、完全に戦争でしょう。ジョン・ランボー(ルヴェスター・スタローン)の恩師であるサミュエル・トラウトマン大佐(リチャード・クレンナ)を救い出すという体ではありますが。十年間に及ぶソ連軍のアフガニスタン紛争を批判しているわけですよ。ベトナム帰りのお前が語るなよという話ですよ。こういう政治的メッセージが入るとせっかくのエンターテイメントも興ざめですよ。

それでも前作をさらにパワーアップした火薬と銃器の量は流石にすごいですけどね。多分、ミリタリーマニアにはたまらない作品だと思います。プロットもアクション映画のテンプレに忠実です。

導入(出会い)→戦闘→中休み(絆)→戦闘(悲劇)→決着

最初の『ランボー』も前作の『ランボー/怒りの脱出』も同じパターンです。ただし、本作の場合は「中休み」が多いんですよ。うまく使えばテンポ良く進めることができるのですが、本作ではサクサク進まないので冗長な感じになってしまいました。そして、最後の戦闘で「悲劇」がない。だから深みが出ない。今回はトラウトマン大佐も一緒に戦うので、バディーものにもできたんですが、おじいちゃんだから動きが悪い。トラウトマン大佐への拷問も手ぬるい!