まめだいふく

ラスト・デイズのまめだいふくのレビュー・感想・評価

ラスト・デイズ(2013年製作の映画)
3.0
 建物の外に出ると心臓発作を起こすというとんでもない症状、通称「広場恐怖症」が世界中で蔓延。人々は建物から出られなくなる。

 勤務先のオフィスビルにいるプログラマーのマルクは、他の人たちと共に地下トンネルを掘っていた。全ては恋人に会いに行くために。
 ようやく地下トンネルが地下鉄に繋がり、車からGPSを盗った人事コンサルタントのエンリケという男と協力して彼女の住むアパートへと向かうことにしたのだが……。

 パニックスリラーかなと思ったら、ベースメントロードムービーだった。
 時系列がパンデミック前と後と交互に描かれる手法。唐突に切り替わるので混乱しがちだけど、主人公の髭の長さに着目すれば大丈夫。急に髭が短くなったら、パンデミック前のエピソードが始まった、というわけだ。

 すきっ歯が気になる主人公マルクと行動を共にするエンリケというオッサンは、容赦なく社員をクビにすることから、ターミネーターと呼ばれていた男で、かなりの嫌われ者だった。マルクとも当然馬が合わないのだが、ずっと一緒にいるうちに絆が芽生え始める。嫌な奴に見えても、腹を割って話してみれば、意外といい奴だったりするものだ、とでも言いたいのかな?
 何はともあれ、この絆が、ラストの子供を呼ぶあのシーンを感動へと誘う。ちょっとウルッと来てしまったよ。
 しかし、その前のシーンで「主人公走れよ!」と思ったのはワシだけではないはず。

 以下「広場恐怖症」について。

 この「広場恐怖症」、外に出てはいけないということなんだけど、ベランダに出るのはOK。窓から手を出すのもOK。中庭もOK。車に乗って外に出るのはNG。という具合に、細かい点でみるとOKとNGの境界線が曖昧。単純に建物の中か外かという分け方でいいみたいですな。ベランダも中庭も建物の一部とみなすということみたい。ざっくりし過ぎだけど、まあその方が分かりやすいと言えば分かりやすいか。
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