どくろ

ペインレスのどくろのレビュー・感想・評価

ペインレス(2012年製作の映画)
3.7
グイグイ引き込まれて完走。

ベルカノは肉体の痛みは分からないけど心の痛みは分かる子でしたね。
病に侵された犬の肝臓を痛みを与える事なく麻酔なしで取り出す、という難関を幼少の彼は難なくクリアするのですが、その際はじめに子犬の首元を手のひらで覆い鈍い骨のなる音がします、おそらく頚椎をずらして神経の通りをいじっているのかと思いました。
無痛病の子たちを医師自らが殺処分していく際、ベルカノは医師の胸に飛び込み彼を刺殺するのですが、医師の胸に飛び込み抱きついたベルカノは彼の首を子犬にした時と同じ様に手のひらで覆い鈍い音を鳴らします。
彼を人として扱ってくれていた医師にせめて痛みを与える事なく刺殺するという選択をしたわけですね。四肢を麻痺させる意味合いもあったとは思いますが。

そして彼が恋に落ちただ2人で過ごすという選択肢を選ぶのもとても心に正直だと思いました。
女性は若いまま亡くなりましたが、ベルカノは何故何十年も生き延びられたのでしょう?
彼の居た空間の一階に薬瓶の様なものが大量にありましたがアレで生き延びたという事でしょうか。
謎が謎を呼ぶ感じですが、最愛な人を抱きしめながら炎に包まれて行く様はとてもダークファンタジーで綺麗でしたね。

見た後に色々考えるいい映画でした。
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