このレビューはネタバレを含みます
ダスティは農薬散布機だ。だから、レースをしたくてもできないと言われていた。しかし、彼はスキッパーという師を見つけ、世界一周レースで優勝する。スキッパーが嘘をついていたり、好きな飛行機に嘘をつかれて死にかけたりしたが、それでも諦めない彼の姿に胸を打たれた。
やりたいことを追いかけることは僕たちにとって時に残酷だ。挑戦すらさせてもらえずに周りに止められて終わってしまって、やりたいことさえ忘れてしまう。だから、彼のレースに対する熱い感情というのは僕たちが持っていたい感情なのだ。
スキッパーは、戦闘に出た回数を偽っていたり、トラウマから空を飛べなかった。そんな彼が空を飛べたのは他でもないダスティをリップスリンガーから守るためであった。
この作品では高所恐怖症のダスティが空高く飛んだり、飛べなかったスキッパーが空を飛んだりと、無理だと思っていたことを克服していくところが真髄である。困難を克服するのは難しい。逃げる人がほとんどだ。でも、克服した彼らにしか見えない景色があるのだろう。そしてそこにはきっと、僕らには想像できない「追い風」が吹いていることだろう。
その追い風を纏った彼らはそう、「決められた役割以上のことをやりたい僕らみんなのね。」ヒーローである。