もっさんしっさん

美人図のもっさんしっさんのレビュー・感想・評価

美人図(2008年製作の映画)
3.2
【誰が名付けた「韓国映画三大王宮エロス」その壱】

「韓国映画三大王宮エロス」と言えば、
①美人図
②後宮の秘密
③背徳の王宮
ということで(ホンマかいな)、今回は『美人図』をチョイス。

いや~、コレはエロい。純愛だけどエロい。いや、純愛だけにエロい。
主人公は男装の宮廷絵師、キム・ギュリ演じるシン・ユンボク。
ユンボクが見初める相手にキム・ナムギル演じる鏡職人ガンム。
それに絡んでくるのはユンボクの師匠であるキム・ヨンホ演じるキム・ホンド。

訳あって男性として生きざるを得なかったユンボク。王に仕える絵師として絵を書くことしか知らなかった彼(彼女)が、奔放で男気のあるガンムと出会ったことで、女としての性に、女としての悦びに目覚めてしまう。その純真で一途な姿は美しく、健気でいじらしい。フルヌード、しかも尺長めのベッドシーン(ベッドはないけど)を文字通り体当たりで演じたキム・ギュリに魅せられた。

王宮ものだけに、純愛だけでは終わらず欲望と嫉妬、男女の愛憎も絡んでくるストーリーではあったが、突拍子もない(いい意味で、「んなアホな!」と思える)展開はなく、もうちょい捻りがあってもよかったかも。ま、どう見てもユンボクは女子にしか見えない点で、「んなアホな!」という感じではあったが。あと、ガンムの拷問シーンでは、今までの韓国映画では見たことのない新しい拷問方法を知ることができて新鮮だった。

途中、今で言うフーゾク店で、女性二人のストリップのシーンがあったが、コレが中々のエロチック、というか卑わいなシーンだった。これも結構尺長めで、ここまでの描写がいるんかいなという感じ。ま、私も男なので哀しいかな、普通に見入ってしまったが。あの女優さんたちは、今で言うセクシー女優なんだろうか?そうであっても、そうでなくても、あれだけのエキストラの面前であんなことやこんなことまでできるってホンマにすごい。
作品の本筋に全く関係のないところで感心してしまった。

結論。王宮モノにエロスと拷問はよく似合う。
つづく…