エドガー・ライト監督作。
学生時代に成し遂げられなかった“1晩に5人で12軒のハシゴ酒"にリベンジする為、イギリス郊外の街に舞い戻ってきたアラフォー男達。しかし街の人々は何者かによって操られていた・・・。
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同監督の傑作『ショーン・オブ・ザ・デッド』と構成はかなり近い。ゾンビサバイバルを宇宙人襲来モノに変え、パプ籠城をパブ12軒ハシゴに変えたゴール設定。序盤で積み上げた主人公の心情をクライマックスで浮上させる作りも同じだ。
でも、ゾンビと比較するとこの宇宙人の緊張感が段違いに弱い印象だった。そもそも彼らのフィジィカルが優れてるわけでもないから見ててハラハラしない。その上宇宙人の設定が甘いから没入しづらい。
ゾンビなら『こう対策すれば良い』とか『こうなったらピンチ!』というゲーム指標があってそれが観客をプレイヤー視点に引き込んでくれるけど、今作はそれが弱い印象だった。
ただコメディ映画のくせにアクションが下手なアクション映画顔負けのカット割は健在だし、何よりテーマと音楽の重ね方が好きだ。
人生のピーク90年頃とHappy MondaysとかThe Stone RosesとかPrimal Scream辺りの90年頃の音楽が絡まって使われてるし、今作公開時期のUK音楽の悲惨な状況も考えると完全にリンクしてて妙に哀愁を感じた。