世界の歴史を写真ジャーナリズムで報道したあの『ＬＩＦＥ』誌の“写真管理部門”に勤務する男は、デジタル化による効率主義の犠牲となり『ＬＩＦＥ』誌とともにリストラの対象となる。ＬＩＦＥ＝人生、そしてそのＬＩＦＥは効率主義から簡単に削除対象とされてしまうようなものなのか？写真ジャーナリズム誌らしく色彩豊かでアングルも美しい映像で構成される。著名写真家達の究極の仕事であるネガを大切に扱ってきた男にも素晴らしい人生や出会いがある。出会いサイトの男や出会いサイトにプロフだけを登録する同僚であるバツイチ子持ち女性や未だに夢を追いかけ教会でのミュージカルオーデションに掛ける妹たちは皆、素敵なＬＩＦＥを生きている。リストラされた男の母親は最期の仕事をやりとげなさい！と軽く言い、そして『ゴミ箱に捨てられた息子の物は全てとっておくのよ』という愛情溢れる言葉で、息子と『ＬＩＦＥ』誌最期の表紙は救われる。母親のこの台詞には何故か涙が溢れた。そして、感動的なそのネガ。やられたな、この作品。素晴らしいです。個人的殿堂入りです。デビッドボウイの選曲もたまりませんね。
