なにぬねのの

渇き。のなにぬねのののレビュー・感想・評価

渇き。(2013年製作の映画)
3.8
ファムファタル

家庭環境の悪い子どもは
2パターン分かれるらしい。
脱抑制型愛着障害と抑制型愛着障害。

前者は愛情を求めて彷徨って、人との距離感が掴めない、いわゆるメンヘラ


後者は、誰にも心を開かなくなり、
無欲で、一見周りよりも大人びて見えるが、
心は空っぽのまま。歪に自立してしまっている


かなこは後者。

かなこが子供が虫で遊ぶように
周りを壊していくのは、自分自身も傷つけていくのは
幸せへの激しい怒りと嫉妬。
あと、痛みを与え続けなければ立っていられないから。本当の傷を見ないで済むから。周りを巻き込んでぐちゃぐちゃにして

全部どうでも良くなって全部全部壊れていい、と思うから。


わたしは原作の作者が男しかもいかついデブのおっさんって知ってびっくりした。
そんな子に会ったことがあるのだろうか。
自身にも、似たところがあるのだろうか。

映画でも小説でもかなこの心は深く語られない
その子自身の地獄や苦しみは目に見えるものだけではない


かなこがそれでも崇拝されるのは、


かなこの淡い優しさとか興味は、偽物だけど、愛に似てるから、

相手への好意も期待もなく本当は何もかもどうでもいいと思ってるかなこには、
自分の望みを投影しやすいから、

何か違和感があって引っかかるから
好きになって、

突き落とされて
離れなれなくなる。
なにぬねのの

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